Gap Inc. のライフスキル教育プログラム「Gap Inc. P.A.C.E.(Personal Advancement & Career Enhancement」を拡大することで2020年までに100万人の女性の生活を向上させると発表しました。この壮大な取り組みは一体どのようなものか?ご紹介したいと思います。
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出典:blogs.ubc.ca
P.A.C.EはPersonal Advancement & Career Enhancementの略で「個人の進歩&キャリア強化」を意味するGap Inc.のライフキル向上プログラムです。2007年に開始したこのプログラムは、縫製工場で働く女性のためにライフスキルを教えるプログラムとして設計されました。コミュニケーション、経済の基礎知識、時間やストレスの管理やその他色々な生活のためのスキルの授業です。活動結果から、女性が知識やスキルを身につけることにより、生活が向上したことが明らかになりました。その後、その活動はクリントン元大統領の目に留まり、更に多くの女性を支援するように実地地域の拡大を奨励しました。
今まで、このプログラムに参加した女性は3万人に及ぶといわれており、自社商品の製造工場から開始し、その後、地域社会へも提供するようになりました。そして、「100万人の女性たちに教育を提供する」という取り組みを今年の9月28日に発表しました。そして、幅広いパートナーとこれを活用していくことが可能となったのです。
Gap Inc.は世界中の100万人の女性の生活を向上させることで、世界全体を後押しさせるために役立つと発表しています。ではその方法はどのようなものでしょうか?
•製造工場と地域社会の両方で100万人の女性たちにこのプログラムを届けるため、衣料産業のその他関係者、企業、開発担当機関、NGOなど既存および新規のパートナーと協働する。 •無償のフランチャイズ形式でこの独自のプログラムを任意のパートナーに開放する。これら新規パートナーには再びこのプログラムが成功を収められるよう、P.A.C.E. のカリキュラムについて広範なトレーニングを提供する。 •地域社会の13~18歳の少女を対象とした新しい教育プログラムや女性向けの新しいリーダーシップカリキュラムなど、学習プログラムパッケージを開発するためP.A.C.E. カリキュラムの対象範囲を広げる。
「新たに対象を広げたP.A.C.E. のライフスキル教育プログラムは、ライフステージを問わずすべての女性、少女のニーズを満たすために考案されています」とGap Inc. のP.A.C.E. グローバルプログラムのエグゼクティブディレクター、ドッティ・ハッチャーは述べました。GAP以外にも、生産工場の労働者に教育を提供している企業はありますが、この規模の取り組みは唯一ではないでしょうか。世界にはまだ発展途上国が多く、貧困に苦しむ国は多くあります。その中でも女性軽視の文化は根強く、女性の権利は男性と同等ではありません。しかし、縫製工場などアパレルに関連する労働に従事するのは圧倒的に女性が多く、この労働者が男性と同様の権利を持つことにより、虐待や、時間外労働などの問題も解決され、生産の効率化にも繋がるのです。また、基礎経済の知識を持つことにより、自国の発展途上の土台を改善できる可能性があり、様々な分野で貢献できるようになります。この取り組みは各国に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。
Gap Inc. http://www.gapinc.com/content/gapinc/html.html
日本は女性軽視の文化が早い段階で撤廃され、今では退職を前提としない場合、男性と同等の労働環境が提供されるようになりました。女性を中心としたマーケットは日々需要が拡大し、年々女性の消費性向は上昇しています。プロフェッショナルな女性が増えるほど、消費が増大していく傾向を鑑みると、これからのこの取り組みは各国の消費に対し、プラスに転じるのではないでしょうか。