顔が乾燥してかゆい… そんな症状を改善させるには、その原因をちゃんと把握して適切な対策を取ることが必要です。ここでは乾燥やかゆみの原因と対策を詳しく解説。乾燥肌の方、必見です!
目次
顔がかゆくなる原因は、多くの場合「乾燥」です。顔のかゆみを抑えるために、まずお肌の乾燥の原因を知りましょう。顔が乾燥する主な原因は以下のふたつです。
(1)間違ったクレンジングや洗顔
(2)保湿不足
それではひとつずつ解説していきます。
毎日のクレンジングや洗顔の方法が間違っていると、お肌に負担をかけ、結果的にお肌を乾燥させてしまうことがあります。
例えば使っているクレンジング料や洗顔料の洗浄力が強すぎる場合、お肌に必要な皮脂まで取り除いてしまいます。またクレンジングや洗顔のときにゴシゴシとお肌を擦ってしまうと、お肌の刺激となり、お肌が荒れてしまいます。
必要な皮脂を取り除いてしまったり、お肌が荒れてしまったりするとお肌のバリア機能が低下し、お肌の乾燥を招きます。お肌のバリア機能とは、紫外線やほこりなどの外部刺激をシャットアウトする機能ですが、この機能が低下すると、外部刺激が体内にダメージを与えるだけでなく、お肌の水分も蒸発しやすくなってしまうのです。結果、お肌は乾燥し、さまざまな刺激に敏感になり、それがかゆみとなってあらわれます。
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洗顔後そのまま放置していると、お肌はどんどん乾燥してしまいます。よって化粧水や乳液、美容液やクリームで保湿することが重要になってきます。保湿するときに気をつけたいのは、水分と油分をバランス良く補給するという点。化粧水のみでは保湿にはなりません。化粧水で水分を補給した後は、乳液や美容液、クリームなどの油分でしっかりと蓋をして、水分を逃さないようにしましょう。
以上がお肌を乾燥させる原因です。次の章では、お肌を乾燥させないスキンケアを解説いたします。
顔のかゆみを抑えるために、お肌を乾燥させないスキンケア法を身に付けましょう。具体的には下記です。
(1)正しいクレンジング
(2)正しい洗顔
(3)効果的な保湿
ではひとつずつ解説していきます。
乾燥肌の方はお肌に優しく、正しくクレンジングを行わないと、お肌の乾燥が悪化してしまい、かゆみを誘発させてしまいます。まずはクレンジング料を慎重に選びましょう。クレンジング料を選ぶときのポイントは以下の2点。
●洗浄力が強すぎないもの
クレンジング料の洗浄力が強すぎると、お肌に必要な皮脂まで取り除いてしまい、お肌の乾燥を招きます。メイクを落とすための洗浄力以上の洗浄力を持つクレンジング料は避けましょう。
●メイクをしっかり落とせるもの
洗浄力の強すぎないものを選ばなくてはいけませんが、メイクをきっちり落とせないと、それはそれでお肌に悪影響。メイクの落とし残しは、毛穴を詰まらせたり、ニキビの原因となったり、新たな肌トラブルを生み出します。自分のメイクをしっかりと落とせるクレンジング料を選びましょう。
結局、メイクの濃さによって選ぶべきクレンジング料が変わってくるのですが、乾燥肌の方は、洗浄力の強いクレンジング料を選ばなくて済むように、濃いメイクを避ける方が無難です。
クレンジング料には大きく分けて6種類のタイプがあります。下の図はその6種類のクレンジングタイプの主成分と洗浄力の強さの相関図です。
上の図を見て分かるように、油の分量が多いクレンジング料は、洗浄力が強いのですが、その分お肌への負担も大きいです。また主成分が水のクレンジング料は、界面活性剤の力でメイクを落とすので、それはそれでお肌への刺激は強いです。そこでおすすめしたいのが、クリームタイプのクレンジング料。配合されている油分と水分のバランスがよく、メイクもしっかり落とせて、比較的お肌に優しいとされています。乾燥肌の方はクリームタイプのクレンジング料を選びましょう。
ではクレンジングクリームを使った正しいクレンジング方法を解説いたします。かゆみを伴う乾燥肌にお悩みの方はできるだけお肌に負担のかからないクレンジング法できっちりとメイクを落としましょう。
※基本的にはその商品に記載されている説明書きを守ってご使用ください。
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(1)手を洗う
クレンジングの前には手を洗い、清潔な状態にしましょう。雑菌の付いた手で顔を触ると、ニキビなどの原因になることもあります。
(2)ポイントメイクを先に落とす。
クレンジングクリームは基本的に洗浄力がそこまで強くないので、万が一口元、目元に濃いメイクをしている場合はポイントメイク落としを使い、先に落としておきましょう。
(3)ベースメイクを落とす。
適量のクレンジングクリームを手に取ります。クレンジングクリームに水が混じると、洗浄力が落ちることもありますので、クレンジングクリームは乾いた手で扱うようにしましょう。
クレンジングクリームを、手に取った後、揉み込むようにして手の熱で温めます。この手間を加えるだけでメイクの落ちがスムーズになります。
クリームを手で温めたら、ベースメイクを落とします。Tゾーンからクリームを乗せはじめて、外側へ力を入れず優しく、くるくると円を描くようにクリームとメイクを馴染ませましょう。細かい部分は指の腹を使います。
ポイントはこすらないことと、時間をかけないことです。1分以内を目安にしましょう。
(4)ぬるま湯ですすぐ。
32℃くらいのぬるま湯でクレンジングクリームを洗い流しましょう。熱すぎるお湯は、必要な皮脂まで洗い流してしまいますし、冷たすぎると、クレンジングクリームが固まってしまいます。このときもこするのはNG。
またこのとき、クリームを一気に洗い流すのではなく、ぬるま湯を馴染ませるようにして少しずつ洗い流す方が、その性質上、クリームをお肌に残すことなくすすぐことができます。クレンジングジェルが落としきれず肌に残っていると、肌トラブルの原因にもなります。しっかりすすぎましょう。
クレンジングクリームは、しっかりとすすいだつもりでもベタベタ感が残る場合があります。その場合はその後の洗顔に任せましょう。
(5)タオルで水気を取る。
しっかりすすいだ後は清潔なタオルで水気を取りましょう。ここでもこすってはいけません。タオルを顔にあてるイメージで優しく水分を拭き取ります。
(6)洗顔、保湿を行う。
クレンジングクリームを落とした後は、洗顔、保湿という次の工程に進みます。油汚れ(メイク)はクレンジングでしっかり落ちていますが、それ以外の汚れ(古い角質など)は洗顔で落とすので、洗顔は基本的には必要です。
乾燥肌でお悩みの方はクレンジングだけでなく、洗顔も気を使って行う必要があります。まずは洗顔料選び。洗顔料を選ぶにあたって大切にしたいポイントは、「洗浄力のマイルドなものを選ぶ」という点です。というのも、先ほどのクレンジングの項目でもお話しましたが、「クレンジングや洗顔で必要な皮脂まで取り除いてしまっている」ことがお肌の乾燥を招く大きな原因のひとつだからです。乾燥を防ぎたいのであれば、洗顔料を洗浄力のマイルドなものにすることが第一歩です。乾燥肌の方におすすめしたい洗顔料は、「洗顔石鹸」です。
主な洗浄成分を「合成界面活性剤」に頼る洗顔フォームとは違って、洗顔石鹸は「石けん素地」が主な洗浄成分。一般的に言って、「石けん素地」は天然由来の洗浄成分なので、お肌への負担は少ないです。一方、「合成界面活性剤」は人工の洗浄成分(=洗剤と同じ)なのでお肌への負担は大きいです。また石けん素地は水で洗い流した後にお肌に残りにくい性質があるので、洗顔料が原因で肌荒れを起こす可能性は少ないです。よって乾燥肌の方には洗顔石鹸がおすすめというわけです。
そして、せっかく乾燥肌を改善できる洗顔石鹸を選んでも、正しく洗顔しないと効果は半減してしまいます。お肌に優しい、正しい洗顔方法をマスターしましょう。
●正しい洗顔方法
(1)手を洗う
洗顔は清潔な手で行いましょう。汚れた手は、ニキビの原因になることもあります。
(2)顔を水だけで洗う
32℃ぐらいのぬるま湯で、あらかじめ顔の汚れを落としておきましょう。水で洗い流せる汚れはあらかじめ落としておき、洗顔料でしか落とせない汚れのみにしておきます。
お肌をこすることは刺激となり、お肌の負担になります。ぬるま湯を顔にあてるイメージで洗いましょう。
(3)洗顔石鹸を泡立てる
洗顔石鹸の豊かな泡は、手と肌の間に入り込みクッションとなるので、摩擦刺激を軽減させてくれます。また、きめの細かい泡は毛穴の奥の汚れを取り除くのに役立ちます。洗顔石鹸は「より多く」「よりきめ細かく」泡立てましょう。泡立てネットを使用するのもよいですね。
泡の量は顔全体にくまなく伸ばせるくらいが目安です。
(4)泡を顔に乗せる
泡を顔に乗せるようなイメージで洗顔しましょう。擦るのはNGです! 泡は、顔に乗った瞬間から、お肌についた汚れや皮脂などを吸着させてくれます。そのため、ゴシゴシこすらなくてもしっかり洗顔できるのです。
下記の順番でひとつずつ丁寧に円を描くイメージで顔に優しく泡を押していきましょう。
【洗う順序】
1.Tゾーン(おでこ・鼻・あご)
2.頬
3.こめかみ
4.まぶた・口元
(5)泡をすすぐ
泡はしっかりすすぎましょう。肌荒れや二キビなど思わぬ肌トラブルの原因になります。32℃くらいのぬるま湯ですすぎましょう。15回~20回は最低でも行っておくと良いでしょう。
※洗顔実施時にはスピード感が大切です。というのも、洗顔石鹸は、どれだけお肌のことを考えて作られていても、「洗剤」であるからです。肌に置く時間は、短くしましょう。(2)〜(5)までの工程で30秒程度が目安です。
(6)タオルを当て、水分を取る
泡をすすいだ後は清潔なタオルで優しく水分をふき取りましょう。ゴシゴシとタオルに顔を押し付けるのは、柔らかくなった肌を傷つける行為に近いです。
(7)しっかりと保湿する
洗顔後の、余分な皮脂や不要な角質が取り除かれたお肌は、化粧水や美容液に配合されている美容有効成分を、しっかりと吸収してくれます。逆に保湿を怠ると、お肌は乾燥状態に… 洗顔前よりもお肌の状態を悪くしてしまう可能性もあります。保湿はしっかりと行いましょう。
洗顔後、保湿せずにそのまま放置しているとお肌の水分はどんどんと奪われていきます。化粧水や乳液、美容液やクリームでしっかりと保湿しましょう。注意したいのは、化粧水をつけただけでは保湿にはならないという点。主成分が水である化粧水で水分を補給し、その後、主成分が油である乳液や美容液、クリームで蓋をしないと、水分は逃げていってしまいます。水分と油分をバランス良く補給して保湿しましょう。
保湿に関しては、ビタミンC誘導体が配合された化粧水やセラミドの配合された美容液、クリームがおすすめです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
本記事では、顔のかゆみを伴う乾燥について、その原因と改善方法を解説いたしました。お肌は自分の予想以上に乾燥しやすいものです。日々のスキンケアから見直して、しっかりと改善させていきましょう!