「ニキビは青春のシンボル」と言われるように、思春期はニキビのできやすい時期です。確かにシンボルかもしれませんが、できればニキビのない青春時代を送りたいですよね。ここでは思春期ニキビのできる原因と改善、予防方法を解説いたします。ぜひご覧ください!
目次
この章では思春期にニキビのできる原因を解説していきます。まず一般的にニキビのできる流れを知りましょう。
一般的にニキビは、できる場所や年齢、性別を問わず、下のような流れでできてしまいます。
(1)角栓が肥大化し、毛穴が詰まる。
→お肌には「ターンオーバー」と呼ばれる肌細胞の生まれ変わりがあります。健康なお肌では、約28日周期で古い表皮が剥がれ、新しい表皮へと変わっていきます。しかし肌荒れや乾燥などでお肌が弱ると、ターンオーバーが乱れてしまい、古い角質などがお肌に残ってしまいます。これと過剰に分泌された皮脂とが混じり合い、角栓が肥大化。毛穴を詰まらせます。この毛穴の詰まりがニキビの始まりです。
(2)詰まった毛穴の内部で皮脂が溜まる。(=白ニキビ、黒ニキビ)
→詰まった毛穴の内部で皮脂が溜まると、「白ニキビ」という状態です。また肥大化した角栓が酸化し、黒ずんで見えると「黒ニキビ」と呼ばれます。
(3)溜まった皮脂を養分にアクネ菌が増殖する。
→アクネ菌は常にお肌に存在する菌ですが、皮脂をエサに増殖するとニキビを悪化させる原因菌となります。
(4)アクネ菌を抑えようと肌が戦い、炎症を起こす。(=赤ニキビ)
→増殖したアクネ菌を抑えようとお肌ががんばると、炎症を起こし、ニキビの周りが赤く腫れます。これが「赤ニキビ」です。
(5)炎症を起こした毛穴に膿が溜まる。(=黄ニキビ)
→赤ニキビがさらに悪化すると毛穴の内部で膿がたまり、「黄ニキビ」と呼ばれる状態になります。
この流れを見てわかるように、ニキビの主な原因は
●皮脂の過剰分泌
●ターンオーバーの乱れ
です。これは当然、思春期にニキビができる原因でもあります。
「ニキビは青春のシンボル」と言われるように、思春期はニキビのできやすい時期です。思春期になぜニキビができやすいのか… それはこの時期に成長ホルモンが盛んに分泌されるからです。成長ホルモンは体が大人になるために必要不可欠なホルモンですが、皮脂腺を刺激する働きもあります。このため成長ホルモンが多く分泌される思春期には、皮脂が多く分泌され、ニキビができやすくなるのです。
また男性ホルモンや女性ホルモンといった性ホルモンが多く分泌され始める思春期は、ホルモンバランスの崩れやすい時期でもあります。ホルモンバランスが崩れてしまうと、皮脂は過剰に分泌されてしまうのです。
そもそもホルモンバランスは、日々のストレスや環境の変化、睡眠不足、栄養バランスの偏った食事など、ちょっとしたことですぐに崩れてしまいます。特に思春期は多感な時期なので、学校での人間関係などの悩みがストレスとなり、ホルモンバランスが崩れることも多いようです。
前章を踏まえ、この章では思春期ニキビの治し方を解説いたします。
先ほど記載したように、思春期ニキビの原因は、成長ホルモンによる皮脂の過剰分泌です。よって思春期ニキビを改善、予防するには、皮脂対策に重きをおく必要があります。以下のポイントを心がけましょう。
●ホルモンバランスを整える
●適切なスキンケアをする
●手や髪の毛、紫外線などの外部刺激を避ける
ひとつずつ解説いたします。
ホルモンバランスは、ストレスや睡眠不足、食生活など、簡単なことが原因で崩れてしまいます。実際には日々の生活からストレスを完全に排除するのは難しいですが、適度な運動などでストレスを少しでも発散させることを心がけるとともに、食事や睡眠など、見直せるものから見直してホルモンバランスを整えましょう。
●睡眠
睡眠は、6〜8時間をしっかりと取りましょう。また、それとともに睡眠の質を上げることも重要。そのためには副交感神経を交感神経よりも活発に働かすことが必要です。以下を心がけましょう。
・就寝の2時間前には食事を済ませておく。
→血糖値が下がっていると副交感神経が活発に働きます。
・就寝の1時間前には入浴を済ませておく。
→体温の高くない状態で眠る方がリラックスでき、副交感神経が優位になります。
・就寝の直前までIT機器を使用しない。
→光を放つ画面が目からの刺激となり、交感神経が活発になってしまいます。
●食事
日々の食事が体を作ります。栄養バランスの良い食事は、ホルモンバランスも整えてくれます。健康なお肌を保つためにも以下のような食品を積極的に摂りましょう。特にビタミンB群、ビタミンCは美肌に必須の栄養素です。
- 積極的に摂りたい食品
- ビタミンB群 … 皮脂分泌をコントロール。納豆、卵、まぐろ、レバーなど。
- ビタミンC … ニキビの炎症を抑える。美白効果。果物、ブロッコリー、ピーマンなど。
- ビタミンA … 皮膚の免疫を上げる。鶏レバー、豚レバーなど。
- タンパク質 … お肌を作る根本的な栄養素。ビタミンなどの運用も行う。鶏ささみ、かつお、煮干し、うなぎなど。
以下はニキビを誘発させてしまう可能性のある食品です。過剰に摂取するのは避けましょう。特に糖分や油分の多い食事は、その分解にビタミンB群を大量に必要とし、皮脂の分泌が過剰になってしまいます。
- 過剰に摂取するとニキビに悪影響の食品
- 糖分、油分の多い食事
- アルコール
- カフェイン、香辛料などの刺激物
ニキビと食べ物の関係に関してはこちらの記事に詳しく記載しています。ぜひご覧ください。
食事だけで補い切れない栄養素は、サプリメントを服用することで補給することもできます。サプリメントに関してはこちらに詳しく記載しております。
ニキビの改善、予防には、毎日のスキンケアも重要な役割を果たします。洗顔で皮脂汚れや毛穴の詰まりを取り除き、保湿をしっかり行うことでお肌は健康なものになり、ターンオーバーも正常化していきます。このことがニキビの改善、予防に直結します。
毛穴の詰まりを解消する洗顔方法についてはこちらの記事をご覧ください。
またニキビに効く洗顔料はこちらの記事で詳しく紹介しております。ぜひご覧ください。
思春期ニキビは皮脂腺の多いTゾーン(おでこ、鼻、顎)にできやすいことが特徴ですが、皮脂が気になるからと言って、1日の内に頻繁に洗顔するのは逆効果です。お肌の潤いを守るために必要な皮脂まで取り除いてしまい、お肌が乾燥してしまいます。お肌は乾燥すると、お肌を潤わそうと皮脂を分泌するようになるので、これが皮脂の過剰分泌に繋がり、ニキビをできやすくするのです。
また、思春期ニキビを改善、予防するには保湿も重要です。お肌の保湿にはビタミンC誘導体の配合された化粧水やセラミドの配合された美容液などもおすすめです。
●ビタミンC誘導体の効果
・皮脂分泌のコントロール
・消炎作用
・美白作用
・コラーゲンの生成促進など
●セラミドの効果
・お肌のバリア機能を強化する
・お肌のハリを内側から支える
おすすめの商品はこちらの記事をご覧ください。
手や髪の毛、紫外線など、外的刺激もニキビの原因となります。
手には普段雑菌がたくさん付着しています。できてしまったニキビを手で触ると、当然ニキビを悪化させてしまいますし、最悪の場合、ニキビを潰してしまい、ニキビ跡が残ってしまう可能性もあります。
また髪の毛には想像以上に油や雑菌が付着しています。髪がお肌に触れること自体が刺激になりますし、加えて付着している油や雑菌がニキビの原因となります。シャンプーやコンディショナーなどの洗い残しは、毛穴を詰まらす原因(特に洗髪料に含まれる髪をコーティングするために配合された成分)となるため、ニキビができやすくなります。整髪料もシャンプーやコンディショナーと同様、毛穴を詰まらせ、ニキビの原因となります。
ニキビの原因となる外的刺激のひとつとしては、紫外線も挙げられます。紫外線は長時間浴びると、アクネ菌を増殖させることに繋がり、結果的にニキビができやすくなってしまうので、帽子をかぶったり、日焼け止めを塗ったりと、紫外線対策をしましょう。
寝具に潜む雑菌も侮れません。直接寝具に触れる可能性の高い枕や布団は、常に清潔にしましょう。
思春期はニキビのできやすい時期ですが、思春期ニキビは毎日のスキンケアを正しく行うことや規則正しい生活を心がけることで、改善し予防することができます。時間はかかるかもしれませんが、地道に健康なお肌を目指しましょう!