頭皮はニキビができやすい箇所ですが、気付きにくいこともあり、悪化させてしまうことも多いです。炎症がひどくなると、毛根が破壊され、脱毛の原因となることも… ここでは頭皮ニキビの原因と改善のために心がけたいポイントを解説いたします。
目次
頭皮と顔では、ニキビのできるメカニズムが違うと思われがちですが、一般的にニキビは、できる場所や年齢、性別を問わず、下のような流れでできてしまいます。
(1)お肌の乾燥や皮脂の過剰分泌で毛穴が詰まる。
(2)詰まった毛穴の内部で皮脂が溜まる。(=白ニキビ、黒ニキビ)
(3)溜まった皮脂を養分にアクネ菌が増殖する。
(4)アクネ菌を抑えようと肌が戦い、炎症を起こす。(=赤ニキビ)
(5)炎症を起こした毛穴に膿が溜まる。(=黄ニキビ)
頭皮は顔の皮膚に比べ、皮脂腺の数が多いのが特徴で、顔の中でも特に皮脂腺の多いTゾーンの2倍の数があると言われています。また皮膚も厚く、顔の皮膚(表皮の厚さ+真皮の厚さ)が1.5mm程度であるのに対し、頭の皮膚は2.3mm程度と約1.5倍の厚さです。
ホルモンバランスの崩れや、栄養バランスの偏りなどでお肌のターンオーバー(肌細胞の生まれ変わり)が乱れてしまうと、古い角質はうまく剥がれ落ちずお肌に残ってしまいます。頭皮の場合はお肌が厚いだけに、余分な角質も多くお肌に残ってしまい、そのせいで毛穴は詰まりやすくなり、ニキビができやすくなってしまいます。
頭皮のニキビは見つけにくいですが、できたニキビが炎症を起こし、悪化していくと、最悪の場合、毛根が破壊されてしまうので、脱毛の原因となることもあるので、しっかりと改善させ、予防させたいです。
このことを前提に、頭皮ニキビができる原因として下記が挙げられます。
ではひとつずつ見ていきましょう。
頭皮ニキビの原因のひとつとして挙げられるのが、ホルモンバランスの乱れです。
日々のストレスや睡眠不足、引っ越しなどの環境の変化などが原因となって、ホルモンのバランスは簡単に乱れてしまいます。ホルモンバランスが乱れると、お肌のターンオーバーも乱れてしまい、健康な肌を保てず、お肌が乾燥したり、角栓が毛穴から排出されずに肥大化し、毛穴が詰まったりと、ニキビのできやすい肌環境になります。
またホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンが女性ホルモンよりも優位になると、皮脂は過剰に分泌されます。その結果、毛穴を詰まらせてしまい、それがニキビに繋がります。すでに毛穴が詰まっている場合は、毛穴の内部に皮脂が溜まってしまい、アクネ菌増殖の原因に。結果的にニキビが悪化してしまいます。
毎日の食事が体を作るので、栄養バランスが偏っていると、健康なお肌を保つことはできず、当然ニキビはできやすくなります。特に、糖分や油分、アルコールやカフェイン、香辛料などの刺激物を過剰に摂取すると皮脂の過剰分泌や肌荒れ、ニキビの原因となります。
間違った洗髪方法はニキビを誘発、悪化させてしまいます。例えば洗髪時のお湯の温度が高すぎたり、1日に何度も髪を洗ったりすると、頭皮に必要な皮脂も洗い流してしまい、頭皮は乾燥状態に。乾燥したお肌を潤わそうと皮脂が過剰に分泌され、毛穴は詰まりやすくなってしまいます。また洗髪の際に頭皮を強く擦ってしまうと、お肌を傷つけてしまい、ニキビのできやすい状態になります。
またすすぎが不十分であると、シャンプーやトリートメントなどが毛穴に詰まってしまい、それがニキビの原因となることもありますし、ドライヤーで髪を乾かすときも、ドライヤーと頭の距離が近いと頭皮を乾燥させてしまう恐れがあり、洗髪時にはニキビを誘発、悪化させてしまうタイミングが多くあります。
頭皮は、汗をかいたときやお風呂上がりなど、皮膚の湿りやすい箇所です。また帽子やヘルメットなどの着用で、通気性が悪くなることもしばしば。湿っていたり、通気性の悪かったりする肌環境は、雑菌の繁殖を促すことになり、ニキビを誘発、悪化させやすくなります。
睡眠時には頭皮からも汗をかき、また皮脂も分泌されます。枕はそれらを吸収しているので、そのまま放置していると雑菌が繁殖してしまいます。これが頭皮に付着しニキビの原因となったり、悪化させたりすることがあります。
ここでは前章を踏まえ、頭皮ニキビを改善、治療するためのポイントをご紹介いたします。
ホルモンバランスは、ストレスや睡眠不足などが原因となり、簡単なことで崩れてしまいます。実際には日々の生活からストレスを排除するのは難しいですが、睡眠や食事など見直せるものから見直していきましょう。
ホルモンバランスを整えるために睡眠はとても重要です。健康な肌を目指すにあたって、6〜8時間の睡眠をしっかりと取りたいところです。睡眠不足が原因でお肌は乾燥し、肌荒れするだけでなく、男性ホルモンが優位になり、皮脂を過剰に分泌させてしまうのです。
また入眠直後の3時間には成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンはお肌のターンオーバーを促す作用があるので、質の高いものにしたいです。そのためには入眠時に副交感神経を交感神経よりも活発に働かすことが必要です。以下を心がけ、質の高い睡眠を取りましょう。
・就寝の2時間前には食事を済ませておく。
→血糖値が下がっていると副交感神経が活発に働きます。
・就寝の1時間前には入浴を済ませておく。
→体温の高くない状態で眠る方がリラックスでき、副交感神経が優位になります。
・就寝の直前までIT機器を使用しない。
→光を放つ画面が目からの刺激となり、交感神経が活発になってしまいます。
身体は日々の食事で作ります。栄養バランスの偏った食事は、皮脂の過剰分泌やお肌のターンオーバーの乱れを招きます。健康なお肌を保つためにも以下のような食品を積極的に摂りましょう。特にビタミンB群、ビタミンCは美肌に必須の栄養素です。
- 積極的に摂りたい食品
- ビタミンB群 … 皮脂分泌をコントロール。納豆、卵、まぐろ、レバーなど。
- ビタミンC … ニキビの炎症を抑える。美白効果。果物、ブロッコリー、ピーマンなど。
- ビタミンA … 皮膚の免疫を上げる。鶏レバー、豚レバーなど。
- タンパク質 … お肌を作る根本的な栄養素。ビタミンなどの運用も行う。鶏ささみ、かつお、煮干し、うなぎなど。
以下はニキビを誘発させてしまう可能性のある食品です。過剰に摂取するのは避けましょう。
- 過剰に摂取するとニキビに悪影響の食品
- 糖分、油分の多い食事
- アルコール
- カフェイン、香辛料などの刺激物
ニキビと食べ物の関係に関してはこちらの記事もご覧ください。
食事だけで補い切れない栄養素は、サプリメントを服用することで補給することもできます。サプリメントに関してはこちらに詳しく記載しております。
洗髪時には頭皮ニキビを誘発、悪化させてしまうようなタイミングが多くあります。洗髪が原因で頭皮にニキビができないように、またはできてしまったニキビを悪化させないように、洗髪時には以下のことを心がけましょう。
・シャワーの温度は38℃くらいで。
→熱すぎると必要な皮脂も洗い流してしまい、冷たすぎると汚れが落ちなかったり、臭いが残ってしまったりします。
・シャンプーするときは頭皮を洗う。
→シャンプーするときは髪だけでなく、頭皮も洗いましょう。頭皮を洗うことで毛穴の詰まりなどを予防、改善できます。このときに爪を立てたり、強く擦ったりするのはNG。お肌を傷つけてしまい、逆にニキビのできやすい状態になってしまいます。
また誤ってニキビを潰してしまうと、跡に残ることもあり、さらに悪化し、毛根を破壊して脱毛の原因となる可能性もあります。指の腹を使って優しく洗いましょう。
このとき整髪料もしっかりと落とすように心がけましょう。整髪料も毛穴を詰まらせ、ニキビの原因となります。
・シャンプーやリンス、トリートメントはしっかりすすぐ。
→シャンプーやリンスなどの洗髪料は、髪や頭皮に残っていると毛穴を詰まらせ、ニキビの原因となります。しっかりとすすぎましょう。目安としては「洗った時間よりもすすぎの時間を長く」です。特に、後頭部から襟足、髪の生え際、耳の周りは落とし切れていないケースが多いので、よくすすぎましょう。
・洗髪後は放置せず、すぐに乾かす。
→湿った皮膚は、雑菌が繁殖しやすい状態です。そのまま放置しているとニキビができてしまう可能性もあります。洗髪後はすぐにタオルやドライヤーで乾かすようにしましょう。
タオルはゴシゴシ拭くのではなく、優しく押さえるようにして水分を取りましょう。ドライヤーは、頭に近づけすぎると肌の負担となったり、乾燥を招いたりするので、頭とドライヤーの距離は20cmを目安にして使用しましょう。
・1日に何度も洗髪しない。
→ニキビができるのは皮脂が原因ですが、頻繁に洗髪するのはNGです。頭皮に必要な皮脂も取り除いてしまいます。
「洗髪後は髪をすぐに乾かす」という話と繋がりますが、帽子やヘルメットをかぶるときや、汗をかいたときは通気性を気にしましょう。湿ったお肌は雑菌の繁殖しやすい状況になり、ニキビの原因となります。お肌が湿りっぱなしにならないように、帽子やヘルメットはかぶったままで過ごすのではなく、こまめに脱ぎ、また汗をかいたらタオルで拭くようにしましょう。
寝具には雑菌がたくさんいます。それがニキビの原因となってしまうので、常に清潔に保ちましょう。特に枕は頭皮と長い時間触れているので、枕カバーだけでも毎日交換したいですね。
頭皮のニキビは睡眠や食事内容、そして洗髪方法を見直すことで、改善、予防することができます。悪化する前にしっかりと対処して、改善させたいですね!