お肌の水分を保ち、ハリを支え、紫外線などの外部刺激から守ってくれる… セラミドはお肌の強い味方です。そんなセラミドを補給するには化粧品が一番効果的なのですが、その種類の多いこと多いこと。ここでは数あるセラミド配合化粧品の中でも”クリーム”にスポットを当て、その選び方のポイントを説明します。また編集部が厳選したおすすめセラミド配合クリームも紹介いたします。
目次
あなたにぴったりのセラミド配合クリームを選ぶために、まずはセラミドそのものについて知りましょう。
セラミドは、実はお肌にもともとある物質です。具体的に説明すると、セラミドは表皮の角質層にあり、角質層の細胞と細胞の間を埋め、水を抱え込むようにして、保湿してくれているのです。またこれによってハリも支えられ、お肌を外部刺激から守る役割(お肌のバリア機能)を担っています。
しかしお肌にあるセラミドの量は赤ちゃんのときがピーク。その後は加齢とともにだんだんと減っていき、30代を過ぎたあたりから減少は加速します。
食べ物やサプリメントからもセラミドは補給できますが、当然体のさまざまな器官に行き渡るので、お肌に届くのはその一部。お肌に直接的に補給しようとすると、美容液、クリームといった化粧品が一番効果的なのです。化粧品でセラミドをしっかりと補給するためにも、まずはセラミドにどういう性質があり、お肌にどのようなメリットをもたらしてくれるのかを解説いたします。
セラミドは人の表皮にある角質層にもともと存在する脂質成分です。脂質=油分ですので、水に溶けにくい性質を持っています。
セラミドはこの性質を活かして、角質層で細胞と細胞の間を埋める役割を果たしています。下図のように、セラミドが水分を挟み込み、抱え込みながら細胞間を埋めるのです。セラミドがお肌の保湿を担い、ハリを支えていると言われているのは、このためですね。
またセラミドが角質層に豊富に存在していると、紫外線やアレルゲンなどの外的刺激からお肌を守る「肌のバリア機能」が強化されるとともに、体の内側の水分が蒸発するのを防いでくれます。
しかしセラミドが不足すると、お肌は乾燥し、荒れていきます。その結果、お肌のバリア機能は弱まり、紫外線などが肌の内側に入り込んでしまいます。紫外線がお肌に与える影響はなかなかに大きく、弾力やハリを支えるコラーゲンを破壊してしまうのです。さらに体の内側の水分も逃げていき、ますますお肌の状態は悪くなっていきます。
角質細胞を埋める脂質は細胞間脂質と呼ばれますが、そのうちセラミドの占める割合はなんと約50%! そしてセラミドによって、お肌の約80%の水分が保たれているのです。この事実を知ってしまうと、セラミドが減少すると「なんだかお肌に良くなさそうだ」というのは、すぐイメージできますね。
次の項目では、セラミドの種類を説明いたします。
人の肌にもともと存在しているセラミドにも、クリームに配合されるセラミドにも、それぞれいくつかの種類があります。特にクリームに配合されているセラミドの種類は、そのクリームの効果に直結するので、選ぶときには慎重に確認したいところです。
まず人のお肌に存在するセラミドについて。お肌には数種類のセラミドが存在し(役割の解明されていないものも含めると11種類と言われています。)、そのうち代表的なものは6種類。それぞれセラミド1、セラミド2… と1から6まで「セラミド+番号」と名前がつけられており、6種類それぞれで役割が違います。このうち保湿の役割を担っているのが、セラミド1、セラミド2、セラミド3。従って、これらが配合されている、もしくはこれらの役割を担ってくれるセラミドが配合されているクリームを選びたいところです。
クリームに配合されているセラミドは大きく分けて下記の4種類です。
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●天然セラミド
馬などの脳や脊髄から抽出される動物由来のセラミド。肌への浸透力が高く、もともとあったセラミドとも良く馴染む上、セラミドを作り出す効果も期待できます。ただし高価なため、天然セラミドが配合されている化粧品は高額になります。
表示成分名:ビオセラミド / セレブロシド / ウマスフィンゴ脂質など
●植物性セラミド
米、とうもろこし、大豆、小麦など、植物から抽出されたセラミドです。最近ではこんにゃくから抽出されたセラミドが、安価で大量生産できる点、アレルゲンになりにくい点で注目されています。
植物性セラミドは安価ですが、効果は薄いと言われています。
表示成分名:植物性セラミド / コメヌカスフィンゴ糖物質など
●ヒト型セラミド(バイオセラミド)
酵母から合成したセラミド。人のセラミドに真似て作ったので、ヒト型セラミドと呼ばれます。その名前の通り、人がもともと持つセラミドと全く同じ構造をしており、天然セラミドに負けない浸透力を持っています。またアレルギー反応もほぼ出ることはなく安全です。
表示成分名:セラミド1 / セラミド2 / セラミドNP / セラミドAPなど
●合成セラミド(擬似セラミド)
セラミドに似た物質を科学的に合成した物質です。セラミドと似たような構造をしていますが、実際のところは全くの別物です。擬似セラミドとも言われ、安価ですが、効果は薄いです。
表示成分名:セチルPGヒドロキシエチルパルミタミドなど
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セラミドの種類は、セラミド配合クリームを選ぶときのポイントのひとつですので、ぜひご参考にしてください。
セラミドの性質や役割を踏まえると、セラミド配合クリームには次の効果が期待できます。
●乾燥肌・敏感肌の改善
●お肌のハリ不足の改善
●お肌のバリア機能の強化
この効果を最大限に引き出すために、この章ではセラミド配合クリームの選び方のポイントを解説いたします。
ひとつめのポイントは「配合されているセラミドの種類」です。
先ほどの章でも説明いたしましたが、人の持つ、セラミド1、セラミド2、セラミド3と同じ役割を担ってくれ、アレルギー反応もほぼ出ない「ヒト型セラミド」が配合されているクリームを選ぶことがポイントです。天然セラミドでももちろん効果は得られますが、天然セラミドが配合されている場合、値段が高くなることが多いです。
ふたつめのポイントは「セラミドの配合量」です。
セラミド配合クリームを選ぶ際には、セラミドの種類とともに、セラミドの配合量も確認したいところです。
セラミド配合化粧品は、セラミドが十分に配合されていないと効果が実感できません。しかしセラミドの配合量がわずかであっても、「セラミド配合」と謳っている化粧品はありますので、セラミドがどれだけ配合されているかはしっかりとチェックしましょう。
とはいえ、具体的な配合量が表示されている製品は滅多にありません。その場合は成分表示の順番に注目しましょう。成分表示は配合量の多い順に記載されていますので、表示されている成分の半分までにセラミドが記載されていないものは選ばないほうが無難です。
また、そのクリームが、配合されたセラミドを浸透させるためにどのような工夫が凝らされているかも重要です。
最後のポイントは、その製品の「価格」です。
セラミドをはじめ、その他さまざまな保湿成分や美容成分が豊富に配合されているクリームですが、豊富に配合されているからといって、即効性があるというわけではありません。
お肌に合わないなどの肌トラブルが発生しないかぎりは、一度選んだクリームは長く使用したいところです。そうなると長く使い続けることのできる価格帯のものを選ばねばなりません。
とはいえ、セラミドは高価な成分です。効果の実感できるクリームは少なくとも3,000円以上するのが妥当です。極端に安いものはセラミドがあまり配合されていない可能性が高いので、見極めが必要です。
先ほどの章ではセラミド配合クリームの選び方のポイントを解説いたしました。ここではそのポイントを踏まえ、cololier編集部がおすすめするセラミド配合クリームをご紹介いたします。
編集部がおすすめするのは、ディセンシア『アヤナス クリーム コンセントレート』。こちらはセラミド2(ヒト型セラミド)の配合されたクリームです。
このクリームの特筆すべき点は、セラミド2を通常の20分の1のサイズにまで落とし込み、角質層の隅々にまで浸透させやすくしたところです。その浸透力は通常のセラミドの4倍! お肌の保湿効果がかなり期待できます。
またディセンシアは、敏感肌・乾燥肌の方のために研究を重ね、独自技術を開発したブランドです。どなたでも安心してご使用いただけます
○ 購入方法:公式HP
○ 価格:5,500円(税抜) / 30g
○ ヒト型セラミド配合、セラミド成分が通常の4倍の浸透力、敏感肌・乾燥肌の方にも安心、トライアルセットあり
次におすすめするのは、小林製薬『ヒフミド エッセンスクリーム』です。
こちらはヒト型セラミドのセラミド1、セラミド2、セラミド3が配合されたクリームです。3種類のセラミドがお肌の保湿をし、内側からハリを支えてくれます。
テクスチャーはクリームでありながら、さらっとしており、夏でもベタつきません。
○ 購入方法:公式HP
○ 価格:6,000円(税抜) / 40g
○ 3種類のヒト型セラミド配合、トライアルセットあり
続いておすすめするのはロコベースリペア『ロコベースリペア クリーム』です。こちらのクリームにはセラミド3(ヒト型セラミド)が配合されています。
このクリームの特徴は、硬めのテクスチャー。これは防腐剤を添加しなくて済むように、水分量を極力減らしたからです。防腐剤無添加はお肌の弱い方にとってはうれしいですね。
またセラミド3を角質層に浸透させた後は、ナノ化(ナノは10億分の1メートル)された油成分が角質層の細胞間に密着して潤いを逃しません。
○ 購入方法: 公式HP / ドラッグストア
○ 価格:1,800円(税抜) / 30g
○ ヒト型セラミド配合、防腐剤無添加
こちらのノブⅢ『モイスチュアクリーム』には天然セラミドのセラミド3が配合されています。またこれとともにお肌のバリア機能を強化してくれるスクワランや、保湿成分のアミノ酸も配合されており、乾燥や肌荒れからお肌を守ってくれます。
また無香料、無着色で、刺激の弱いクリームなので、敏感肌・乾燥肌の方も安心してお使いいただけます。
○ 購入方法:公式HP / ドラッグストア
○ 価格:4.860円(税込) / 45g
○ 天然セラミド配合 / スクワラン、アミノ酸配合 / 低刺激性クリーム
続いて編集部がおすすめするのはロゼット『オウンセラ リペアフィルム』です。
こちらのクリームには天然セラミドが配合されています。この天然セラミドとその他の保湿成分を独自技術でフィルム化し、肌に膜を張って潤いを逃しません。
またセラミドの生成をサポートするハトムギ発酵液も配合され、自分自身でセラミドを作り出せる肌に導きます。
コラーゲンや、コラーゲンの生成をサポートする成分も配合されているので、お肌のたるみも改善、予防できます。
○ 購入方法:公式HP / ドラッグストア
○ 価格:3,888円(税込) / 45g
○ 天然セラミド配合 / セラミド生成をサポートするハトムギ発酵液配合 / コラーゲン配合 / 低刺激性クリーム
続いてご紹介するのはJADE BLANK『美白モイストリッチクリームM』です。
こちらはフランスで人気のオーガニックスキンケアラインの美白クリームです。オーガニックと言うだけあって、配合されている有効成分の90%以上が天然由来です。
配合されているセラミドは、セラミド2、セラミド3、セラミド6Ⅱの3種類。この3種類のセラミドを独自技術でナノ化し、角質層にしっかりと浸透させる工夫が凝らされています。
またセラミドの他にもビタミンC誘導体などの有効成分も配合されており、みずみずしく、ハリのあるお肌に導いてくれます。
○ 購入方法:公式HP
○ 価格:8,073円(税抜) / 45g
○ 3種類のヒト型セラミド配合 / 独自のナノ化技術 / ビタミンC誘導体配合 / オーガニックコスメ
編集部が次におすすめするのはエトヴォス『セラミドスキンケア モイスチャライジングクリーム』です。
このクリームには5種類ものヒト型セラミドが配合されており、保湿効果は抜群。これに加え、さらに4種類のビタミンも配合されており、乾きがちな肌を潤わせ、整えてくれます。
またお肌の刺激となる香料や着色料、石油系界面活性剤などが添加されておらず、敏感肌・乾燥肌の方にも安心してお使いいただけます。
○ 購入方法:公式HP / ドラッグストア
○ 価格:3,800円(税抜) / 30g
○ 5種類のヒト型セラミド配合 / 4種類のビタミン配合 / 香料や着色料などが無添加、敏感肌・乾燥肌の方にも安心
セラミド配合クリームは正しい使い方をしてはじめてその効果が実感できます。使用する際のポイントを以下に挙げていきます。
クリームに限らず、どの化粧品にも言えることですが、製品の説明書きに記載されている用量、用法は守りましょう。
セラミド配合クリームの場合、適量よりも少なすぎると、せっかく配合されたセラミドの効果を実感できない可能性があります。
目元や口元は皮膚が薄く、お肌の中でも乾燥しやすい部分です。そのような部分にはクリームを重ねてつけ、しっかりと保湿し、肌のバリア機能を強化してあげましょう。それによりシワやたるみを改善、予防することができます。
クリームはしっかりとお肌に馴染ませましょう。顔を手で包み込み、手の温かさで角質層に浸透させるイメージです。お肌の負担になりますので、決してこすってはいけません。
セラミドはあなたのお肌の強い味方です。セラミドの配合された化粧品で積極的に補給して、みずみずしく、ハリのあるお肌を保ちましょうね!